シンプルな導入と省コスト運用を採りつつ、申請電子データを含むeCTDの保管場所に工夫を施したシナリオです。
- 社内共有サーバーにeCTD保管フォルダが既に存在
- 申請電子データを含むeCTDは、完全なeCTDを別サーバーに保管し、申請電子データ部分を除いたeCTDをeCTD保管フォルダに保管
- UserAccoutの作成、アクセス権管理は最低限に行う
- databaseフォルダへのコピーは行わない
- PDF情報は登録しない
eCTD保管
全てのeCTDが社内共有サーバーに保管されていますが、申請電子データを含むeCTDは、サーバーを分けて保管されています。
eCTD | 公開範囲 | 保管サーバー | 保管フォルダ |
---|---|---|---|
申請電子データを含まないeCTD | 研究開発部署全員に公開 | メインサーバー | Public |
本来申請電子データを含むが、datasetsフォルダ以下が削除されたeCTD | |||
申請電子データを含むeCTD | 一部の部署の社員のみ | 申請電子データ用サーバー | eCTD Pool (confidential) |
eCTD保管フォルダのアクセス権
eCTD保管フォルダのアクセス権は、適切に付与されています。
過度にアクセス権が絞られていたり、公開してはならない範囲にアクセス権がついていたりはしません。
Power Viewerのインストール場所
必要な各社員のPCにインストールします。
インストール作業
共有領域に配置したインストーラーを使い、各社員がそれぞれ実行します。
Power Viewerデータベースの場所
社内で1つのdatabaseフォルダを使用します。
eCTD保管フォルダと同じサーバーに設置します。
同じサーバーにすることで、Xml Pathの登録に相対パスが有効となります。
初期設定
一番最初の初期設定
一番最初に初期設定を行う方は、databaseフォルダを生成する必要があります。
「チーム利用 – 新規作成」でeCTD保管フォルダと同じサーバーの任意のフォルダを指定します。
また、すぐに初期ユーザーアカウントでAdminユーザーとしてログインし、自分のメールアドレスでアカウントを作成します。次に、自分のメールアドレスでログインしなおし、初期ユーザーアカウントを削除します。
既にdatabaseフォルダが存在する場合
「チーム利用 – 共有データベース」でdatabaseフォルダを指定します。
UserAccountの作成
Regulatory Operationを担当するメンバー全員のアカウントをAdminユーザーとして作成し、その他の研究開発部署の社員に対してはNormalユーザーとしてアカウントを発行します。
Album作成、Applicationの紐づけ
Albumは、RandDAlbumのみを作成します。
Album名 | 紐づけるApplication |
---|---|
RandDAlbum | 全てのApplication |
UserGroupの作成、Memberの追加、AccessKeyの設定
UserGroupは新規作成せず、All Registered UserのAccessKeyを編集します。
UserGroup名 | Member | AccessKey |
---|---|---|
All User | 設定不可 | 設定しない |
All Registered User | 設定不可 | RandDAlbum Viewer |
ログイン
全員が自身のメールアドレスをIDとして使用しログインします。
SubmissionUnit追加時のオプション
- Copy Files
-
コピーはしません。
eCTD保管フォルダのアクセス権が適切に管理されているので、コピーしてさらに管理対象を増やす必要がありません。 - PDFInfo
-
PDFのページとリンクの情報は登録しません。
閲覧時のリンク一覧化が有用と考えられるのであれば、登録しておいた方が便利ですが、SubmissionUnitの登録に非常に時間がかかるようになります。
Xml Path
申請電子データを含むeCTDを登録する場合
SubmissionUnit追加時は完全なeCTDを指定します。
SubmissionUnit追加時点では、Xml Pathとして申請電子データ用サーバーへの絶対パスが1つ登録されているのみです。
登録後、SubmissionUnit編集画面から、以下のようにメインサーバーの2つのXml Pathを追加します。
Priority | Path | Format |
---|---|---|
5 | E:/eCTD Pool(confidential)/20250101099/1/submissionunit.xml | Absolute |
6 | ../../../../eCTD Pool/Shared/20250101099/1/submissionunit.xml | Relative |
7 | D:/eCTD Pool/Shared/20250101099/1/submissionunit.xml | Absolute |
これによって、申請電子データ用サーバーへのアクセス権がある社員は申請電子データを含む本来のeCTDを閲覧することができ、そうでない社員はメインサーバーの申請電子データが除かれたeCTDを閲覧することになります。さらに、メインサーバーがD:以外のドライブにマウントされた場合でも変わらず閲覧が可能です。
もともと申請電子データを含まないeCTDを登録する場合
SubmissionUnit追加時点では、Xml Pathとして絶対パスが1つ登録されているのみです。
登録後、SubmissionUnit編集画面から、相対パスのXml Pathを追加します。
Priority | Path | Format |
---|---|---|
4 | ../../../../eCTD Pool/Shared/20250101099/1/submissionunit.xml | Relative |
5 | D:/eCTD Pool/Shared/20250101099/1/submissionunit.xml | Absolute |
SubmissionUnitを管理する-オンラインマニュアル
フォルダ構成イメージ
上記の前提で、フォルダ構成の一案をイメージとしてお示しします。

- D:
-
メインサーバーのルートディレクトリです。
- Apps/Power Office
-
Power Office以外の他社のアプリケーションを導入している可能性を想定して、フォルダを区切っています。
- Power Viewer-DB
-
Power Viewerのdatabaseフォルダが格納されているフォルダです。
インストールを担当する方は、インストール後の初回起動時に、初期設定で「D:/Apps/Power Office/Power Viewer-DB」をdatabase生成先として選択します。(チーム利用 – 新規作成)
それ以外の方は、初期設定で「D:/Apps/Power Office/Power Viewer-DB/database」をdatabaseフォルダとして指定します。(チーム利用 – 共有データベース) - eCTD Pool/Shared
-
このフォルダに格納するeCTDが申請電子データを含む場合、申請電子データ部分を削除して保管します。
- 20250101099
-
eCTDのフォルダです。
- E:
-
申請電子データを含むeCTDが入っているサーバーです。