申請電子データを含むeCTDを別サーバー管理するシナリオ

シンプルな導入と省コスト運用を採りつつ、申請電子データを含むeCTDの保管場所に工夫を施したシナリオです。

まとめ
  • 社内共有サーバーにeCTD保管フォルダが既に存在
  • 申請電子データを含むeCTDは、完全なeCTDを別サーバーに保管し、申請電子データ部分を除いたeCTDをeCTD保管フォルダに保管
  • eCTD保管フォルダが存在するサーバーにPower Viewerをインストールする
  • UserAccoutの作成、アクセス権管理は最低限に行う
  • databaseフォルダへのコピーは行わない
  • PDF情報は登録する
目次

eCTD保管

全てのeCTDが社内共有サーバーに保管されていますが、申請電子データを含むeCTDはサーバーを分けて保管されているという前提です。

eCTDの公開範囲は大きく3つに分けられ、
部署単位でアクセス権を区切っている(開発関連部署全員に公開)タイプ
社員単位でアクセス権を区切っている(特定のプロジェクトチームに属している社員にのみ公開)タイプ
申請電子データへのアクセスが必要な社員のみにアクセス権を区切っているタイプ
があります。

eCTD公開範囲保管サーバー保管フォルダ
申請電子データを含まないeCTD開発関連部署全員に公開メインサーバーPublic
特定のプロジェクトチームに属している社員にのみ公開メインサーバーShared
本来申請電子データを含むが、datasetsフォルダ以下が削除されたeCTD開発関連部署全員に公開メインサーバーPublic
特定のプロジェクトチームに属している社員にのみ公開メインサーバーShared
申請電子データを含むeCTD
(基本的に、sequence1のみ)
一部の部署の社員のみ申請電子データ用サーバーeCTD Pool
(confidential)

eCTD保管フォルダのアクセス権

eCTD保管フォルダのアクセス権は、過度にアクセス権が絞られていたり、公開してはならない範囲にアクセス権がついていたりはしません。このアクセス権の通りに、社内公開しているという前提です。

Power Viewerのインストール場所

eCTD保管フォルダと同じサーバーにインストールします。
共有サーバーへインストールすることで、インストールをユーザーごとに行う必要がなくなります。

インストール作業

社内の誰か1人が対応します。

Power Viewerデータベースの場所

社内で1つのdatabaseフォルダを使用します。

eCTD保管フォルダと同じサーバーに設置します。
同じサーバーにすることで、Xml Pathの登録に相対パスが有効となります。

初期設定

初期設定を行う-オンラインマニュアル

一番最初の初期設定

一番最初に初期設定を行う方は、databaseフォルダを生成する必要があります。
「チーム利用 – 新規作成」でeCTD保管フォルダと同じサーバーの任意のフォルダを指定します。

また、すぐに初期ユーザーアカウントでAdminユーザーとしてログインし、自分のメールアドレスでアカウントを作成します。次に、自分のメールアドレスでログインしなおし、初期ユーザーアカウントを削除します。

既にdatabaseフォルダが存在する場合

「チーム利用 – 共有データベース」でdatabaseフォルダを指定します。

UserAccountの作成

Regulatory Operationを担当するメンバー全員のアカウントをAdminユーザーとして作成し、アクセス権を社員単位で区切っているeCTDへのアクセス権がある社員に対してはNormalユーザーとしてアカウントを発行します。

Normalユーザー登録は一切行わず、ファイルシステムのアクセス権に任せてしまうという更に手間を省いた運用も可能ですが、このシナリオでは採用しません。(参考

Album作成、Applicationの紐づけ

Albumは、PublicAlbumとLimitedAlbumの2つを作成します。

Album名紐づけるApplication
LimitedAlbum特定のプロジェクトチームに属している社員にのみ公開するApplication
PublicAlbumLimitedAlbumに紐づけたApplication以外の全てのApplication

UserGroupの作成、Memberの追加、AccessKeyの設定

UserGroupは1つだけ作成(LimitedGroup)し、All Registered UserのAccessKeyを編集します。

UserGroup名MemberAccessKey
All User設定不可設定しない
All Registered User設定不可PublicAlbum Viewer
LimitedGroupNormalユーザーとして発行した全UserAccountLimitedAlbum Viewer

ログイン

全員自分のメールアドレスをIDとして使用しログインします。

AdminあるいはNormalユーザーとして登録されていない社員は、Guestユーザーとしてログインします。

SubmissionUnit追加時のオプション

Copy Files

コピーはしません。
eCTD保管フォルダのアクセス権が適切に管理されているので、コピーしてさらに管理対象を増やす必要がありません。

PDFInfo

PDFのページとリンクの情報は登録します。
SubmissionUnitの登録に非常に時間がかかるようになります、閲覧時のリンク一覧化が有用と考えられるのであれば、登録しておいた方が便利です。

Xml Path

申請電子データを含むeCTDを登録する場合

SubmissionUnit追加時は完全なeCTDを指定します。
SubmissionUnit追加時点では、Xml Pathとして申請電子データ用サーバーへの絶対パスが1つ登録されているのみです。
登録後、SubmissionUnit編集画面から、以下のようにメインサーバーの2つのXml Pathを追加します。

PriorityPathFormat
5E:/eCTD Pool(confidential)/20250101099/1/submissionunit.xmlAbsolute
6../../../../eCTD Pool/Shared/teamA/20250101099/1/submissionunit.xmlRelative
7D:/eCTD Pool/Shared/teamA/20250101099/1/submissionunit.xmlAbsolute

これによって、申請電子データ用サーバーへのアクセス権がある社員は申請電子データを含む本来のeCTDを閲覧することができ、そうでない社員はメインサーバーの申請電子データが除かれたeCTDを閲覧することになります。さらに、メインサーバーがD:以外のドライブにマウントされた場合でも変わらず閲覧が可能です。

(もともと)申請電子データを含まないeCTDを登録する場合

SubmissionUnit追加時点では、Xml Pathとして絶対パスが1つ登録されているのみです。
登録後、SubmissionUnit編集画面から、相対パスのXml Pathを追加します。

PriorityPathFormat
4../../../../eCTD Pool/Shared/teamA/20250101099/1/submissionunit.xmlRelative
5D:/eCTD Pool/Shared/teamA/20250101099/1/submissionunit.xmlAbsolute

SubmissionUnitを管理する-オンラインマニュアル

フォルダ構成イメージ

上記の前提で、フォルダ構成の一案をイメージとしてお示しします。

D:

メインサーバーのルートディレクトリです。

Apps/Power Office

Power Viewer以外の他社のアプリケーションを導入している可能性を想定して、フォルダを区切っています。

Power Viewer-App

Power Viewerの実行ファイルが格納されているフォルダです。

インストール先として、「D:/Apps/Power Office/Power Viewer-App」を指定します。

Power Viewer-DB

Power Viewerのdatabaseフォルダが格納されているフォルダです。

インストールを担当する方は、インストール後の初回起動時に、初期設定で「D:/Apps/Power Office/Power Viewer-DB」をdatabase生成先として選択します。(チーム利用 – 新規作成)
それ以外の方は、初期設定で「D:/Apps/Power Office/Power Viewer-DB/database」をdatabaseフォルダとして指定します。(チーム利用 – 共有データベース)

eCTD Pool/Shared/teamA

eCTDが適切なアクセス権を伴って管理されている想定です。
このフォルダに格納するeCTDが申請電子データを含む場合、申請電子データ部分を削除して保管します。

Public

開発関連部署全体に公開するeCTDを保管するフォルダです。

20250101099

eCTDのフォルダです。

E:

申請電子データを含むeCTDが入っているサーバーです。

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